「シュミリコ!」刊行にあたって

 

 リコーダーはルネサンス期以前に生まれ、17世紀からのバロック音楽の時代にはテレマン・ヘンデル等の作曲家によりリコーダーのための曲が数多く作られました。古楽ではまさに花形楽器だったのです。しかし他の楽器が進化するにつれ強弱が付けられない等の欠点が目立つようになり、ついには管弦楽の編成に組み込まれず、忘れ去られた楽器となってしまったのでした。

 20世紀に入り古楽復興運動が起こりリコーダーは復活、今では様々な場面で楽しまれるようになりました。教育楽器として学校で教わったり、学校や地域のサークルで活動したり、プロの演奏を生やCDを通じ聴いたり、近年では演奏を動画サイトで配信したり。また演奏する曲のジャンルも、花形楽器として栄えた古楽はもちろん、童謡、最新のポップス曲、ジャズ、ゲーム音楽など幅広くできますし、また演奏形態も数人のアンサンブルから数十人のリコーダーオーケストラまで多様なうえ、チェンバロやギターなど他の楽器と合わせることもできます。さらに活動の目標も、コンクールや演奏会に向けて高いレベルを目指す場合もあれば、ある程度のレベルは目指しつつも楽しく活動することを大事にする場合もあります。

 このように活動の自由度が高いリコーダーはまた「とっつきやすいが奥は深い」という特徴もあります。世の中が厳しくなってくると趣味に時間もお金もかけられなくなってしまうのが実情ですが、リコーダーなら手軽に始められ、初心者が音を出すハードルも他楽器に比べれば低いという一方、突き詰めれば色々な事ができるのもまたこの楽器の面白さです。そのため楽器初心者だけではなく、吹奏楽やオケ・合唱・ピアノなどの他楽器経験者がリコーダーを手にすることも多く、その多様なバックグラウンドは演奏や活動の幅を広げるものともなっています。

 そんなリコーダーを趣味として楽しむにあたり「有用な情報を皆で共有しよう」というのが本誌のコンセプトです。従来であればそうしたノウハウは先生や先輩から教わるもので、それが団体の外に出て行くことはそう多くはありませんでした。しかし近年、例えばボーカロイドの登場でますます裾野が広がるDTM(desktop music)界では「ノウハウをweb上などで積極的に共有し、その結果さらに文化が発展すれば面白い」という考え方が主流となっています。リコーダーでも既に刊行されている教則本や専門誌でその考え方が実践されている部分はありますが、本誌では特定のジャンルや楽しみ方に限定せず幅広い観点で情報共有を推進していきたいと思います。
 もちろんこれは、各人や各団体の企業秘密を明るみにするということではありません。門外不出の情報も必要ですし、本誌も情報の取扱いには留意していきます。また文章によるノウハウの共有化には限界があり、プロの講師の方に習う重要性は変わるものではありません。さらに書籍や講師から細かく教わらないと動けないマニュアル人間を生み出すのではなく、自ら主体的に動くためのきっかけ作りをしていきたいです。

 そして本誌では「演奏『以外』の部分」も大事にしていきたいと考えています。実際に活動するにあたっては、演奏会に向けての諸準備であったり、録音し形に残したりと、演奏以外の運営・裏方の部分も多分に求められ、それらにより団体の活動のパフォーマンスが低下もするし向上もするからです。なおこの部分についてはリコーダーのみならず、あらゆる形態の音楽団体でもそのまま活用できるものを目指していきます。

 本誌の編集者もアマチュアで趣味としてリコーダーを楽しんでいます。ぜひ一緒に、楽しい活動のため色々と情報収集をしていきましょう!

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